金融庁 委託型募集人制度に対する規制強化へ
1月11日の日経新聞によると、金融庁が、保険代理店販売の再委託に対する規制を強化することがわかった。今回の規制の経緯としては保険代理店から再委託を受けて保険を販売する人の一部で不適切な営業があると金融庁が判断しこれを改善していくためとのことで、来週にも全ての生命保険会社や損害保険会社に対して、契約実態などの報告や改善策を求め、また、今後保険会社の監督指針の改正案を公表するとのこと。
保険業法275条では、募集行為を第三者に再委託することを、一部の場合(保険会社が同一グループ内の保険会社を通じて、当該グループ内保険会社の保険募集人に再委託を行う場合)を除き、禁止している。そのため保険募集を行うためには、金融庁に対して使用人の届出を行うことが必要となる。ただし、派遣社員も使用人になることができるようにするため、平成12年から、代理店と雇用関係がなくても使用人の届出をすることができるようになっている。
今回規制強化の対象となっている「委託型募集人制度」は、保険代理店から委託を受けた人が「使用人」として当局に届出を行った上で保険を販売する仕組みになっている。雇用関係がないため「固定給」ではなく、販売実績に応じて「報酬」を支払うという構造になっており、生命保険代理店・損害保険代理店を問わず活用されてきた。
金融庁の公表資料では、代理店は、本来、使用人が行う募集業務について「教育・指導・管理」を行うことが必要であるにもかかわらず、代理店と第三者の間に「形式的に」委託契約などの関係があるという事実のみを理由に第三者を使用人として届け出て、「教育・指導・管理」を行うことなく第三者に募集業務を行わせている可能性がある、との指摘がある旨が述べられている。そして、この状況を踏まえると、使用人になることができる人は、「法令等に基づき使用人としてふさわしい教育・指導・管理等を受けている者のみ」と明確にすることが適当である、としている。